袂(たもと)穴あき事件
汗をかきやすい季節、ジャバジャバ洗えるのが良いと言うことで、夏はポリエステルの着物を愛用している人もいらっしゃるかもしれません。
個人的には、蒸れるように暑いので、この頃はほとんどポリエステルの着物を着ることはなくなりました。
鉄瓶の事をブログに書いたので、こんな失敗を思い出しました。(まだ鉄瓶を使っていない頃の話です。)
ヤカンで沸かしたお湯をポットに移そうとしたとき、袂に添えたはずの手から袖がヒラリと逃げてヤカンについて、
あっという間に袖に穴があいてしまったのです。
大変ショックでした。
しばらく、眺めて考えました。
捨てるしかないかなー
何とかならないかなー
・・・
考え抜いた揚句、考えていてもしょうがないと思って一か八かでこんな事をやってみました。
下前の衿先部分を解きまして、縫い代分の生地を切り出しました。
それを使い穴を繕う。
穴があいたのは右の内袖、袖口下あたりです。
縫った後のすぐにわかるひどい仕上がりですが、着てしまえばそれほど目につくこともなさそうです。
さて、穴の場所やどのような処置をしたかが、すぐにイメージできたでしょうか。
「袂(たもと)」「下前」「衿先」「内袖」「袖口下」
わかったあなたは着物に結構詳しい人ですね。
どうぞ、お気をつけください。
みなさんの着物にまつわる失敗や様々な体験談、おもしろいお話を聞かせてくださいね。
「袂(たもと)」・・・和服の袖付けから下の、袋のように垂れた部分。
「下前(したまえ)」・・・着物の前を合わせたときに、内側になる側。
「衿先(えりさき)」・・・着物の衿の下端の部分のことをいいます。
「内袖(うちそで)」・・・着物の、前身頃(まえみごろ)の側の袖。前袖
「袖口(そでぐち)」・・・袖の手が出るところ。