雪輪文 ~冬景色で涼感を演出する~
日本人は季節感を大切にして、着物にも季節を移して遊びます。
日本の景色は美しく、季節の移りがおもしろいですね。
心に余裕がないときは、いつの間にか桜が咲いて散っていて、いつの間にか新緑の季節になっていて、いつの間にか紅葉になっていて、雪が降って、解けて、また花粉症の季節かーみたいな時期をずいぶん重ねてしまいましたが、もったいないことをしていたものです。
私はカメラを持つようになってから、身の回りには美しい四季の変化を感じる素材がたくさんあるという事を教えていただきました。
着物は季節の先取りをする。このようにも教えていただきました。
そして、さらにこんな事も教わったのです。
「絽などの夏の着物や帯に冬の景色を着て涼しさを演出したりするんだよね。」
純白で定かな形のない雪が文様となるのは、近世になってからだそうです。
情景を絵画的に表した「雪景文」
そこから植物のみをとりだした「雪持ち文」
江戸時代初期に円の表面に数箇所の凹凸を表した「雪輪文」があらわれ、次第に様式化されて現代の凹凸を極端に強調した図案となったそうです。
江戸後期に「雪華図説」という雪の結晶を描いた本が出たことで、これをもとに「雪華文」が愛好されることとなったということです。(参考「きもの文様図鑑」)
着物姿で涼感を出すのには、ほかにどんな手法があるかと考えてみましょう。
・ヘアスタイル・・・涼しげにきりっとまとめる。
・メイク・・・暑苦しさを感じさせない爽やかなナチュラルメイクにする。
・衿元・・・ゆったりとあわせる。
・着物、帯・・・素材はもちろん夏もので、第一印象の色彩について暑苦しい色を避ける。帯は小ぶりに結ぶ。
・小物・・・夏らしい涼しげなものを合わせたいですね。
他にもいろいろあるかもしれませんね。
暑い夏は、相手の方に暑苦しさを感じさせない涼しげな装いをしたいものです。