ちょっと艶っぽい話

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別れの握手で掌をこちょこちょするというコミュニケーションがあるそうです。

小料理屋の女将さんから教えてもらいました。

どういう意味だと思いますか?

「今夜どうだい?」

こちょこちょを返せば、
「いいわよ。」ということだそうです。
他に来ていたお客さんは、それと同じ意味で、地方によっては使っていた箸をクロスして置く場合もあるようだと教えてくれました。
意味を知らなかったら、とりあえず同じ事を真似してしまったりしそうじゃありませんか?

カウンセリングではアイスブレーキングといって、なかなか言葉を発せないクライエントを相手にした時、緊張をほどく為に、何気ない相手の仕草をカウンセラーが真似したりします。

カウンセリングの基本にはエコーといって、相手の言葉を繰り返すことも習います。

これらの事は普段のコミュニケーションでも有効だと感じているので、私はよく使うようにしています。

それから、もう一つ。着物の衿元を触ることは、夜のお誘いOKの合図なのだそうです。

着物の衿元は気になるところだから、着ている間に確認の為に触ってしまったりするものですが、むやみに触ってはいけないものだったのねと思って聞いたお話でした。

こんな話はたまたま聞くチャンスがあっただけのことで、きっと私の知らない話はたくさんあるのだろうと想像します。
なんだか、こんな日本人ちょっと素敵かも・・・と思います。

ストレートすぎない、日本人的な奥ゆかしさの中の積極性?よくわかんないけど、ちょっと憧れちゃいます。

こんな趣が、どんどん日本からなくなっているということですねぇ。

樋口 清之(ひぐち・きよゆき)先生の本から、ちょっと艶っぽい話をもう少し書いてみたいと思います。

着物というのは衣紋を抜いて着ます。衿はちゃんと体につくものというのが古今東西の衣服の原則で、これは、日本の着物の特徴だそうです。何のために抜くかというと、それは女性のえり足の美しさをみせるためなのだそうです。

確かに美しいと思います。女性の私でさえ、着物の魅力の第一に思い浮かべる部分の一つです。

正面からは見えない後ろ姿、えり足。

さらに、帯もそうですね。背面装身具があるのは日本だけだとこの本に書いてあります。
化粧もそうだといいます。日本人は側面化粧で、紅を塗っても、まず鬢(びん)をふくらませ、耳には耳紅をつける。世界に耳紅という言葉はなく、やはり日本にしかないそうです。

耳紅、ちょっと手遅れかも知れませんが、やってご覧なさい。なかなか可憐なものですよ。・・・って私の事を知っているみたいに書いてあります。

きっと気さくな先生だったのではないでしょうか。1997年に亡くなられていますので、会うことができないことがちょっと残念です。
歌舞伎の「くどき」の型とは女性が男性をくどくのだそうで、その時、右手を胸にあて、衣紋をまず抜いて、半分横すわりになり、にじり寄っていく、男に背中から寄っていくのだそうです。

樋口先生の言うには、今の女性はそういう知恵がなく、正面から「ねえ、あなた」なんていうからいっぺんに嫌われてしまうんですという。併せて、近頃の男性は少々教養が低いから、うしろ姿で寄られて感激する男がいないとしたら、男が悪いのであって、女性文化の低さではないとフォローをしてくれてもいらっしゃいます。

男も女も趣のわかる知性と感性がなくなってしまいましたでしょうか・・・

昔、女性のたしなみとして和裁を教える教室の話を、安達清先生から聞いたことがあります。山形市在住の方で、ラジオ番組で雑学など面白いお話を披露してくれる先生でした。

和裁の上達を願って奉納された和裁所の風景を描いた絵を山辺町にあるの安国寺で拝見したことがありますが、そんな風に、昔、若い女性達は先生のところへ通って和裁を練習していたそうです。
そこでは、和裁だけでなく、料理の事や女性として必要ないろんな事を教えてくれるところで、夜のマナーに至るまで教えてくれたものだったそうです。

今、小学校での性教育は親ももびっくりするくらいきちんと教えてくれていますが、こういう事は誰も教えられないですね。

私は偶然聞くことができたこれらの話、私は娘には話しました。そして、ここにも書いておこうと思います。

伝える人がいなければ、情緒ある日本文化がなくなってしまうのはさびしいですものね。

P1050809出展:装いの文化 樋口清之著 装道出版局

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