てぬぐい
手ぬぐいって便利ですよね。柄も面白いもの素敵なものたくさんあります。
日常的、普段気軽に使うものだと思っていたけれど、その始まりは晴(はれ)であって、褻(け)ではないのだそうです。
ーーーーウィキペディアよりーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
民俗学や文化人類学において「ハレとケ」という場合、ハレ(晴れ、霽れ)は儀礼や祭、年中行事などの「非日常」、ケ(褻)はふだんの生活である「日常」を表している。
ハレの場においては、衣食住や振る舞い、言葉遣いなどを、ケとは画然と区別した。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
てぬぐいは、神さまに参るとき、結婚式に列席するとき、花見に行くとき、目上の人を訪ねるとき、昔の人々は手拭を衿に巻いたり、腰に下げたり、頭に被ったりして、心の慎みを表現したものだったそうです。
手拭は始めは身分の高い人のもので、比礼(ひれ)は奈良朝の頃、貴婦人のアクセサリーとして礼装になくてはならないものだったようです。
平安時代の武官の束帯に必ずつける忘れ緒は一丈二尺もあり、一幅ものの裂を四つ折にして形良く左腰に下げます。
手拭は比礼や忘れ緒の簡略化らしい。鎌倉時代になり次第に実用化され、江戸時代に全盛となったそうです。
はじめは絹、そして麻、木綿になったのは江戸時代。
なるほど、手ぬぐいの始まりはこういうことで、はじめは絹だったのですね。
戦前は年末に家々で、名入り、家紋入りの手拭いを何反か誂え、家の主が手拭い包みをもって、正月二日には年始周りをしたものだそうです。
手拭いは名刺代わりで、旅回りの落語家などは手拭い一本を差し出して「よろしくお願いします。」で一宿一飯の世話になれたという。
手ぬぐいにはいろんな使い方がありますね。
「かぶりもの」
(すっとこかぶり、吉原かぶり、ほおかぶり、ねじり鉢巻、置手拭いなどは男のかぶり方。女のかぶり方は、姉さんかぶり、吹流しなど。)
「下着」(女が裸の下半身に巻く二布(ふたの)とは、手拭いを二枚にはいだもの。紐などつけず、端をきゅっと突っ込んでおくだけの使い方をする。一般的な呼び方は腰巻。湯文字ともいいますね。ふんどし。など)
「はちまき」「おしめ」「雑巾」「鼻緒」「ケープ」「前掛け」「布巾」「ランチョンマット」「テキスタイルアート」
どんな使い方をしようか、考えるのもまた楽しいですね。
それから、てぬぐいの特徴のきりっぱなしなのは、端を縫っていないことで、そこに水や汚れがたまらず、衛生的で早く乾くということ。最初はほつれてきますが、2-3回洗ううちに落ち着いてくるので、切りそろえるといいそうです。洗い方も手であらった方がよさそうですね。
何でも、手ぬぐいにも「ヴィンテージ」というのがあって、何年も使い込んでいい具合にくたびれてきた手ぬぐいは、ふわふわの肌触りで、色にも独特の味わいが生まれる。そういう手ぬぐいを「ヴィンテージ手ぬぐい」というのだそうです。
それには、洗い方があって、お湯や洗剤を使わずに、水で手洗いすることだそうです。
また、プロポーズにも手ぬぐいが使われたようですね。
江戸時代は男性が女性に五尺手ぬぐいを贈ると「求婚」を意味し、女性が受け取ると「婚約成立」を意味したそうです。
また、手ぬぐいは縁切りにも使われ、縁切り寺に手ぬぐいを投げ込むと「離縁」となんったという説もあるそうです。
「かまわぬてぬぐい百科」河出書房より
個人的には、手ぬぐいを夏の着物の半衿に使ったりすることもあります。
手ぬぐいの大胆な柄はながめるのも素敵ですが、細かい柄だと、半衿にしやすいですね。
今度オリジナルの手ぬぐいを作るときには、細かい柄のを作りたいと思っているところです。